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いい家づくりとは?

日本の住宅

夏の夕暮れに鳴く蜩の声や、秋の夜長に響く虫の音に、深い感慨を覚える方も多いでしょう。しかし、世界中どこを見ても、虫の鳴き声にこれほど感動する民族は日本人だけだそうです。欧米人にとってのそれは、ただのノイズに過ぎないようです。

 

吉田兼好が、徒然草の中で「住まい作りは、夏を旨とすべし。」と述べたのは有名な話です。わが国は、古来から豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)と呼ばれるほど、湿潤な気候です。梅雨や台風、秋の長雨など、実に1年の半分近くが雨の季節なのです。ですから、日本の家屋には、室内にこもった湿気を追い出すために、沢山の風を取り入れる工夫がされてきました。

 

明治の文豪・谷崎潤一郎が、その著書「陰翳礼賛」の中で、日本文化について述べています。わが国は、一年の半分近くが雨の季節。雨が多い分、日本建築の屋根は、大きく、深い庇を従えるようになりました。その結果、部屋の中は暗く、昼間でさえ洞穴のごとき闇が広がります。このような、薄暗がりの中での生活を余儀なくされた私達の祖先は、次第にその陰翳に合った美を創造するようになりました。金蒔絵然り、舞妓さんの白塗り然りなのです。

 

オイルショック以来、日本の住宅は省エネルギーの旗印の下、機密性・断熱性を必要以上に高めてきました。更には、石油化学製品や化学物質を多用した建材での家作りを勧めてきたため、有害化学物質とダニやカビが、大量発生する空間での生活を余儀なくされてきたのです。その結果が、シックハウス症候群に代表されるアレルギー症状を引き起こしているのです。一説には、日本の子どもの約40%が何らかのアレルギーを持っているとも言われています。機密性を増すことにより、外の世界と室内を遮断した結果、蜩の声も、鈴虫の音も聞こえない味気ない家になってしまったのです。それどころか、春や秋の清々しい風も遮断してしまっています。私達増子建築工業の家作りは、季節を感じ、光や風を出来る限り取り入れ、日本の伝統美を活かした自然と共に暮す家作りです。

 

 

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